秋山の樹の下隠り・・ (鏡王女)

万葉集 巻2-92 鏡王女

 

【原文】

鏡王女奉 和御歌一首

秋山之  樹下隠 逝水乃 吾許曽益目 御念従者

 

【読み下し文】  

鏡王女の和(こた)へ奉(まつ)れる御歌一首

秋山の樹の下隠り逝く水の 吾こそ益さめ 御念よりは

 

【揮毫者】

犬養孝(万葉学者)

 

【歌の意味】

秋山の木の下を隠れて流れていく細い流れの水が、

次第に水かさを増すように、私のあなたに

対する思いのたけは、あなた自身の私への御思い

よりはまさっているのです。